伝え聞く。昔バイトをしていた頃の知り合いが、ふと遭遇したスーパーで語っていた。あの人逝ったのよ…。
けっして間柄は良くなかったからその点に関してどうのこうのは特段ないけど、同年齢と言うのが堪える。人の寿命だけはどうあがいてもどうにもならない。自分もいつ逝っても良いとは思っているけれど、まだやり残した分がある。その一部もできないままだ。
その人は癌だったらしい。大腸癌。ここが不思議だ。あの職場に居た人は何故か大腸癌が多いように思う。在職中にもそれで亡くなった人が居た。
食べ物なんてことを言ったら私など子供の頃から辛いもの脂っこいものが大好きで普段から脂肪体質。これでどうして彼らより永らえているのか。人は個々に違うとは言うけれど、体の不摂生なんてきっとその辺には負けない。好きでそうしているわけではなくて、そうならざるを得なかったのだ。
今は、僅かな抵抗かも知れないが、居酒屋へ出向けば必ずサバ塩を食べてDHAを補うこと怠りない。鶏のから揚げ大好きで、以前はこればかり食していたが、この頃は椎茸も舞茸も食べるしで、やれることはやっている。家に居るより居酒屋での方がきっとバランスが取れている。
若くて逝く人がちらほら出るに関して、自分がそうであった可能性もある訳で、今生きていることは本当にただの偶然でしかないのか、それとも人生的な当たりはずれなのかサッパリわからないが、今生きていることは有難く受け止めねばならない。しかも、時によっては苦しい仕事に終われる始末だ。それで生きていることが直ちに幸せかどうかは知れぬが、一人になった今がとにかく最も自由を得ているのだ。この時間を少しでもと神に祈る思いだ。
私より五つ六つ年上の画家仲間も随分昔に逝っているが、逝った年齢を考えたら今の自分より随分若い。彼は心臓だったと言う。何で逝くのか知れないが、きっと自分は大腸癌ではないかと予想している。それには訳がある。いつか記したい。
振り返って自分はまだ少しは大丈夫だ。残りもないのに絵なんぞ描いて暢気なものだが、知った人の死を知ると焦る気持ちが湧いてくるのだ。長い事絵を描いてきて、ろくでもないのばかりじゃ情けないとも思うし…。
0 件のコメント:
コメントを投稿