2023年3月11日土曜日

前回の孤独死の記事について

ちょっと書き足りなかったことです。この女性は身元がなかなか判明しなかったと言うけれど、それは役所ごとの一切をしていなかったと言うことであって、年齢からするととっくに年金をもらっていたはずだけど、そもそもかけていなかったか、保険証も持てなかったに違いない。住民登録をしていない。それがあったら身元が不明ということはない。そんなので良く生きてこれたものだ。病気の一つしなかったのだろうか。我慢できる程度のものだったのか。

右手の指がほぼ欠損していると言うことは、多分利き手だったろうから、以後文字は書けなくなった。役所ごとは色んな書類を書く。銀行口座も新たに作りにくい。古い通帳を持っていたらしいけど、電気や水道代などそれで引き落としていたのだろうか。どうやって手続したのか。

古い集合アパートは光熱費を均等割りすることがある。私もそんなところに住んでいたことがある。それを大家に払っていたのだろうか。そもそもこの女性は元からここに住んでいたのだろうか。元から居たのなら当時から住民登録があるはずだし、越してくるのだって仲介に出す書類がある。いったいどんなことだったのか。

今では考えられないかも知れないが、昔は--空き室あり--の貼り紙を出して直の飛び込みを受けていたアパートもあったと聞いている。悪にそそのかされて銀行の預金に手を付けて逃げた女子行員も、いっときそんなところに隠れ住んでいたとかの話があったから、無いとは言えない。

現状の家賃は3万とちょっとだったらしいが、人間ひとり質素に暮らせば本当に僅かな金で生きて行けるもので、その上に少々の贅沢を乗せてもいくらにもならず、それで普通に暮らせれば幸せでもあったかも知れない。付き合った異性もあった気配だ。

しかし、肉体にかなりのハンディを抱えた女性が、高齢になると仕事をしていたとも思えず、かと言って年金もない。カバンの中の大金には手を付けず、古い紙幣を交換にも行かない。いったいどうやって暮らしていたのだろうか。月10万で暮らしても金は減って行く。2500万あっても20年とちょっとで消える。

考えれば考えるほど不思議な話だ。けれども、身元はどうにか判明したし、事件性もない。なにしろ大金が残されているから、どこにも金銭的な迷惑が掛からぬ状態で葬ってもらえることができれば、よかったと言うべきかも知れない。

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