2024年9月25日水曜日

人は孤独で当たりまえ

今はテレビを見ていないので、これは何年も昔のNHKドラマだったかな。この頃NHKってあまり良い印象ないのだけど過去には見ごたえのあるドラマが幾つかあったと思う。

たしか、リリーフランキーさんだったか、ある会社を定年退職して、自分は会社の中で重きを置いてきたと認識しているので去った後でもいろんな面で自分の知識や経験を慕って来る人が多いだろう--そう思っていたのですが、全然ない。会社と切れたらこれまで付き合いのあった人とも全部切れて行く。誰かと連絡を付けてようやく食事を共にするのだけど、相手の反応が冷たい。自分が会社に居た時と妙に違う。

なーんか変だなと思い始めた主人公が段々とおかしくなり始める。そんなはずはないと思いつつ重度のノイローゼみたいになっていく、そんなドラマだったと記憶します。

これって、当たり前なのですよ。その後も何らかの形で会社に残ったならちょっと違うかも知れない。でもそれだって今まで通りはない。部署も変えられるだろうし、今までは部下だった人とも違う形で接しなければならない。同じことをやっていたら馬鹿にされる。残れたとしてもそそうです。

だから、組織を去ったら今まで頭を下げてくれていた人も相手にしなくなるし、もしかしたら腹の中では煙たく思いつつ付き合ってくれていたのかも知れない。それくらい考えるのが普通じゃないですか。

最近投資に関する動画を、昨今のパニックだから私もあれこれ眺めていますが、そんななかでこんなコメを見ました。

曰く、自分の役目はこれまで得てきた知識や経験を若い人に授けて育てる。これが生きがい。

これね、危ない入り口かも知れないですよ。思い込みの強い人に得てしてあるのですが、ドラマの中でフランキーさんが食事をしながら同じようなことを言います。僕にできることがあったらいつでも言ってきてくれたまえ。

するとかつての部下だった若い相手がサラリと言います。

ないんじゃないですか…。

そして、会計は自分が…と言ってサッサと伝票持って去っていきます。若い社員は、相手がかっての上司だし、無下にもできないからしょうがねえなで付き合ったけど、これで最後にしてくださいと態度で示して去っていく。

当たり前なのですよこれは。そんなにクールな態度でなくても、もうちょっとやんわりと、でも基本的には私もこの若い人と同じでしょうね。それが当たり前、自分の知識経験云々を言わずとも、そんな時は向こうから相談にやってくる。なければそれまでの話。それが普通。

若い人や周りに知識や経験を授ける?周りは有難くそれを受け止める?--つまらん思い込みですよそれは。たいていはお呼びでない。そんなことを思っている人は、多分早くボケると思いますね。そうやってしゃしゃり出てくるような人は迷惑爺さんそのものです。


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