2023年6月25日日曜日

タイタニック見学ツアーのあの事故で

日頃は気にしないことを思い出すのですが、実は私は閉所恐怖症なのでした。普段は気にすることがないので忘れてはいるのですが、身動きもとれないような狭いところが苦手です。その癖アパートや民家などでは狭い部屋好きなのです。なんとも矛盾する不思議な性格です。なので周辺を散歩していて小さな家を見つけるとちょっと覗いてみたくなります。



子供の頃、誰もが楽しみな遠足がちょっと苦手でした。昔から三半規管に異常があるのか割と酔いやすくてバスが苦手なのです。それは大人になってほぼ解消されましたが、目眩を起こしやすい現状があるので、引きずっているかも知れません。そのうえ割りと小心な性格で、先頭から乗り込むので小柄だった私は普通にバスの奥へ詰め込まれるのですが、前の補助席が倒されて、何があっても急には出られないと思うとトイレに行きたくなったらどうしようとかすぐに考える性格なのです。不安で発作を起こすとかはないのですが、正直嫌でした。

ところが居酒屋さんなんかは割りと狭いのが好きで、住まいなんかも大きいのより小さくてコンパクトな部屋が好きです。矛盾しますね。しかしこれは、いざというときにはすぐに出られるという条件がある場合だけに限ります。時々テレビなんかで奥に座ると身動きも取れない程の居酒屋を見かけますが、あれはちょっと息が詰まるのです。出口が二箇所あれば良いのですが、つまりこれは、束縛感の問題でしょうかね。事務室なんかでも、何度もドアをくぐって入り口から遠い奥まった部屋に行くと、それがある程度の広さならまだ良いのですが狭いと本能的に不安を感じます。頭が圧迫されると言うか…。

そんな人間なので、先日来見聞きしているタイタニック号を見学する深海潜水艇のあのニュースなんか、どうも息が詰まります。潜水艦程度ならまだ良いのですが、身体も伸ばせないような狭いところに何人か詰め込まれてトイレもない。そういうのを想像するだけでも息苦しくなります。たとえ仕事であっても私ならあの中に入るだけでも辛い。実際そんなことになったらどれくらい持つかな。

事故に関しては、全然そちらのことをあれこれ言える知識はないですが、命を惜しんでいては冒険はできないと考える人は昔からたくさん存在して、結果的にはたくさんの人が命を落としているのだけど、ツアーなんて言い出したら、そういうこととは違うだろうと思うのですね。

今になって報道されるけど、設計とか使っているパーツだとか、実はかなり怪しげだったとか言っています。現実にその会社の社長が乗り込んでいたらしいので、安全に関しては自信があったのでしょうが、この辺は人によりますからね。自分の命がかかっていても実際かなり大雑把な人は居るのでなんとも言えません。無謀な登山をするのも似たようなものです。

点検を怠ったのではとも言われているのですが、そんなの、ちょっとばかり点検を怠ったら突然危ないなんて、その面でも耐久性と余裕がなければ。むしろ今まで潜れたのがまぐれだったのかも知れません。

私のようなショボい人間が自身の身体のことに関してあれこれと日々落ち込みつつ生きている間に、著名な実業家や何でもできそうな大金持ちがある日突然命を落とす。そんなことどうしようもないじゃないかと言えばそうなのですが、それでもね。なんだか気持ちが複雑になります。

水圧と物理に関しては全然素人ですが、圧壊が数百分の一秒の出来事だったらしいですから、恐怖と苦しさを認識する瞬間もなかったのはせめてものということでしょうか。

気乗りしないまま参加した子供も居たとか。その子も閉所が苦手だったかも知れないし、或いは予感めいたことも働いたのでしょうか。ご冥福をと言うしかありません。

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