突然の話ですが、思い出したのです。私の兄は老後にまだ仕事ができるのでその辺で清掃とかホテルの雑役とかのバイトをしていました。ホテルの雑役とは、つまりこの周辺の駅近くや雑木林に隠れるようにして建っているラブホテルの雑役です。当時東武線沿線の、窓からも見えるところで雇ってもらったのですが、オーナーは他にも学習塾なども経営していたようです。色々やってるのですね。
しかし人使いが荒い。休日でもいきなり電話がかかってきて出てくれと言ってくる。それが突然なので対処のしようがなかったりがあって、すると君は雇わないと言われたそうです。指示はパッと聞いてすぐに動いてくれる熱心な人でなければどこも雇わないと。
そう言われても何日かは採用されて働いているので賃金をと言っても、試用期間なので賃金はないと言われたそうで、結局縁が切れればと思ってそのままになってしまった。でも、そういうことだから多分人は続かない。数日分の賃金など、どうしても払ってもらおうと思ったらそれなりの労力と金を使って運動するしかないので泣き寝入りになる。案外こういう業者って多いのかもしれません。ブラックですね。
しかしそれが却って良かったと言うべきか、今度は鉄道系の清掃で採用されて、バイトだから大したことはないのだけど時給は違うし有給はあるしで都合を無視して急に呼ばれることもない。仕事は全然ゆったりしていて、冬などは控室が寒くて大変だったそうですが、概ねは楽だった。なにしろ相手は上場企業がボスなので。採用されたときにもそう言われたそうです。ここは欠員がなかなか出ないのですよ、あなたはたまたまです。
似たような仕事をしても勤め先で随分違う。こういうところも、言ってみれば小さな人生の分かれ目かもしれない。私の住まいの周辺でも、自転車で走っていると、あれこんなところに、と思うようなところでラブホテルを見かけます。ああいうの、ネットで探して行くのだろうか。まあ、ラブホは目立たないところにあるのが一番ですからね。でも、働いている人の境遇は、どうなんでしょうね、雇う側の人間が柔らかければちょっとはマシでしょうが、楽ではないでしょうね。慣れてしまえばということでしょうけど。
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